レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

 「レビー小体型認知症」もアルツハイマー型認知症と同じく、脳の変性疾患の一つで、認知症全体の4.3%を占めます。「レビー小体」とは、 アルファ・シヌクレインと呼ばれるタンパク質 の固まりです。レビー小体型認知症は、大脳皮質の神経細胞の中にレビー小体が蓄積し、神経細胞が死ぬことによって起こります。

レビー小体型認知症の症状

 レビー小体型認知症では、初期に現実にはないものが見える「幻視」や、眠っている間に奇声をあげるなどの異常行動(レム睡眠行動障害)が起こることがあります。 レビー小体型認知症の特徴に、リアルな幻視をはじめとした視機能異常があります。幻視があらわれなくても「視界がぼやける」、「なんとなく見えにくい」などの症状を伴う場合はレビー小体型認知症の可能性があります。

 また、レビー小体が中脳の黒質に蓄積するとパーキンソン病になるため、レビー小体型認知症では手足が震える、小刻みに歩くなどのパーキンソン病の症状が認められることがあります。パーキンソン病は歩行が困難になるため、転倒への注意が必要になります。うつ病を併発する率が高く(50%以上)、症状の重さが日によって異なる(日差変動)のもこの型の特徴です。

特徴
  • 動作が鈍くなる(パーキンソン様症状)
  • うつ(仮面様顔貌)
  • 幻視
  • レム睡眠行動障害
  • 薬剤過敏
  • 周期性(日内変動・日差変動)
  • 視空間認知障害

レビー小体型認知症の診断

レビー小体型認知症の治療

 レビー小体型認知症は、現在、根本的な治療法はありませんが、薬によって症状の進行を遅らせることは可能です。 アルツハイマー型認知症と同じく、根本から治療したり進行を止めたりする方法は今のところありません。認知機能の低下に対してはアルツハイマー病の治療薬、パーキンソン様症状についてはパーキンソン病の治療薬を使うことがあります。

 レム睡眠行動障害にはリボトリールが奏功するものの、パーキンソニズムが悪化する可能性があるので注意が必要です。

レビー小体型認知症では多くの薬剤(デパス、PL、ガスターなど)に対して過敏になり、副反応が生じやすくなるので注意が必要です。特に薬剤による副作用でパーキンソン症状が悪化することがあります。

よく使われる薬
  • ドネペジル
  • クロナゼパム(リボトリール、ランドセン)、抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯
    レム睡眠行動障害に効果
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