そのほかの認知症

アルコール性認知症

 お酒を飲む方にあらわれる脳障害です。アルコール性認知症には3つのタイプがあります。一つ目は、アルコールによる低ナトリウム血症で、意識障害を起こします。二つ目はビタミンB1欠乏によって引き起こされるウェルニッケ脳症です。ウェルニッケ脳症では足がふらつき、物がダブって見える複視や幻覚を伴います。三つ目は記憶障害を主症状とするコルサコフ症候群です。記憶障害を埋めるため、作話をします。

薬剤起因性老年症候群

 薬剤起因性老年症候群とは、医師が処方した薬の副作用によって発症する認知症です。高齢者は代謝機能が低下しているため、薬が体内に蓄積し、作用や副作用が強く出てしまうことが原因として考えられています。複数の病院にかかり、多くの薬を処方されている高齢者には特に注意が必要です。

 薬剤起因性老年症候群では、特に睡眠薬、抗不安薬などのベンゾジアゼピン系薬剤と認知機能低下や過鎮静、問題行動などの症状の間に因果関係があるとされています。薬剤起因性老年症候群の割合は、全ての認知症の1〜2割に相当するのではないか、とする見解もあり、老年医学会では「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を作成し、ベンゾジアゼピン系薬剤に対する注意を喚起しています。

 医師の指導のもと、飲んでいる薬を減らしていきます。向精神薬や抗不安薬の中には突然やめてしまうと危険なものもあります。自分で判断するのではなく、必ず医師にご相談ください。
 また、睡眠薬などを飲んでいる方は、飲まなくても眠れるよう生活のリズムを整えましょう。下記の「光療法」を使えば薬に頼らずに睡眠のリズムを改善できます。

一過性健忘

 数時間から数日にわたって意識障害が続きます。外部からは一見普通にみえますが、本人はその間のことを覚えていない状態です。脳内の血流や血圧が一時的に乱れることが原因であると考えられています。治療には抗てんかん薬のカルバマゼピン(テグレトール)、レベチラセタム(イーケプラ)、ラモトリギン(ラミクタール)などが使われます。

高齢初発てんかん

 認知症のなかにはてんかんを併発するものが少なからずあります。高齢者に多いのは複雑部分発作と呼ばれるタイプのてんかんで、短時間(通常30~60分)意識が遠のき、その間の記憶がありません。口をもぐもぐ動かす口部自動症や幻嗅、味覚異常を伴うことがあります。脳波異常が原因ですが、発作時に測定する必要があるため診断が難しくなっています。カルマバゼピン(テグレトール)などの抗てんかん薬で、低用量処方でコントロールすることができます。

大脳皮質基底核変性症

 パーキンソン様症状 手や足などの動作が思い通りできない「失行」が認められることがあります。自分の手が自由にならない「他人の手兆候」が有名です。

慢性硬膜下血腫

 頭部外傷によって、頭蓋骨と脳の間に血液がたまることによって脳が圧迫され、機能の低下が起きます。 脳外科手術や投薬によって治療が可能です。

甲状腺機能低下症

 甲状腺の働きが低下することによって発症します。 脳外科手術や投薬によって治療が可能です。

進行性核上性麻痺(Steel症候群)

 パーキンソン症状を伴う認知症 進行すると目を上下に動かせなくなる「眼球運動障害」が見られます。

意味性認知症

 前頭側頭葉変性症の一つ 言葉の意味がわからなくなる

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