花粉症

花粉症はなぜおこるの?

 花粉症はアレルギーが原因です。アレルギーとは、体内に取り込まれた異物に対する体の防御反応です。花粉などのように体内に取り込まれてアレルギー反応を起こす物質をアレルゲンと言います。アレルゲンが体内に入り込むと、からだはアレルゲンを排除するために抗体(IgE抗体)を作り出します。作られたIgE抗体は肥満細胞と呼ばれる細胞表面上に結合し、アレルゲンの再度の侵入に備えます。同じアレルゲンが再び体内に侵入すると、肥満細胞上のIgE抗体に結合します。アレルゲンの結合した肥満細胞は、ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターを放出し、アレルギー反応を引き起こします。

花粉症の症状

 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などが起こります。連続してくしゃみの出る回数が6-10回以上、鼻をかむ回数も一日6-10回以上の方は中等症、それ以上は重症、最重症に分類されます。

花粉症の原因はさまざま

 春先になると鼻汁、目のかゆみ、くしゃみなどの症状が出る方が多くなります。このような方の多くはスギ花粉症の可能性が考えられます。なんと日本人の4人に一人はスギ花粉症であると言われています。
 一口に花粉症といってもその原因はスギ花粉だけではありません。1月から5月ごろの花粉症はスギやヒノキが原因として考えられますが、夏に花粉症を発症する場合にはイネ科の植物が、また、秋の場合にはブタクサがアレルゲンになっている可能性があります。一年を通してアレルギー症状が出る場合には、ダニやハウスダストが原因かもしれません。

花粉症の原因を特定しましょう

 花粉症などのアレルギー症状の改善への第一歩はアレルギーの原因(アレルゲン)を知ることです。アレルゲンを特定するためには、血清抗体検査などがあります。当院で受けることが可能ですのでご相談ください。

花粉症を予防しましょう

  • 洗濯物は花粉を落としてから取り込みましょう。
  • 飛散の多い日には窓を開けないようにしましょう。
  • 飛散の多い日には外出を控えましょう。
  • 外出する場合にはマスクやゴーグルを着用しましょう。
  • 帰宅時には衣服の花粉を室内に持ち込まないようによく払い、手洗い、うがいをしましょう。
  • 目がかゆいときにはコンタクトレンズの使用を中止し、眼鏡にしましょう。

花粉症を治しましょう

 花粉症を防ぐにはまずはアレルゲンに接触しないことが一番重要ですが、必要に応じて薬物療法、アレルゲン免疫療法などを行います。

・薬物療法

 薬で花粉症の症状を抑えます。根本的な療法ではなく、対象療法なので一時的に症状を和らげる治療法になります。特に中等症以上の方は早期からお薬を継続的に飲むことによって症状を軽減することができます。初期には第2世代抗ヒスタミン薬などが主に用いられ、点鼻薬などが併用されます。症状が重くなる場合には、経口や点鼻型のステロイドを用います。

・アレルゲン(舌下)免疫療法

 アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを少しずつ投与し、身体をアレルゲンに慣れさせる療法です。お薬(弱いアレルゲン)の長期服用が必要になりますが、7割の患者さんに改善が認められます。からだがアレルゲンに対して抵抗性を持つようになれば、花粉症の季節でもお薬がいらなくなります。
 アレルゲン免疫療法には注射による「皮下免疫療法」とお薬による「舌下免疫療法」があります。舌下免疫療法では、自宅でお薬を舌の下に含み、溶かして服用します。皮下免疫療法と異なり、注射ではないので痛みがありません。