食物アレルギーとは
食物アレルギーとは特定の食物が引き起こすアレルギー反応です。食物アレルギーのほとんどが即時型アレルギー反応で、原因食物の食後30分から2〜3時間で発症します。重篤な場合にはアナフィラキシーと呼ばれるショック状態に陥り、気道が腫れて呼吸ができなくなると死に至ることもあります。近年、新しいタイプの食物アレルギーとして、口腔アレルギー症候群や食物依存性運動誘発アナフィラキシーが注目されています。
・口腔アレルギー症候群(OAS)
原因となる食物を咀嚼中・嚥下直後に発症する超急性の食物アレルギーです。リンゴ・モモ・メロン・サクランボ・イチゴなどの果物が原因となることが多いようです。加熱や発酵で食べられることもあります。
プリックテストで陰性だったら、少量から食べることができます。また、抗アレルギー剤の内服で症状が軽くなることもあります。
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因となる食物を食べた後30分から2時間以内に激しい運動をするとアナフィラキシーショックを引き起こす場合があります。このようなアナフィラキシーショックは一部の解熱鎮痛剤で起こりやすくなることもあるので注意が必要です。小麦、エビ、カニなどの食材が原因となることが多いようです。運動誘発性アナフィラキシーを起こす方は原因食物を食べた後2〜3時間は散歩も含め運動は一切禁止です。
食物アレルギーの原因
0〜6歳までの食物アレルギーの原因となる上位4つの食材リストです。鶏卵は予防接種のワクチンを作るときにも使われることがあるので、小児予防接種には注意が必要です。
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
- ピーナッツ
7〜19歳になると甲殻類のアレルギーが1位になります。
- 甲殻類
- 鶏卵
- そば
- 小麦
食物アレルギーの検査
食物アレルギーの検査には採血検査と皮膚をちょっと傷つける「プリックテスト」があります。採血検査では食物に対するIgE抗体が血液中にあるかどうかを検査します。IgE抗体がたくさんある場合にはその食物に対してアレルギーを引き起こすリスクが高くなります。
プリックテストとは、皮膚を傷つけて抗原液をたらし、皮膚の発赤でアレルギー反応をみる検査です。30分から1時間で判定できますが、検査自体でアナフィラキシーが起きるリスクがあります。