慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは
慢性閉塞性肺疾患は慢性気管支炎や肺気腫などの肺の炎症性疾患の総称です。よくCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease) と呼ばれます。COPDになると肺胞の破壊(気腫化)や気道炎症がおき、緩徐進行性および不可逆的に息切れが生じます。
治療しないで放っておくと重症化し、最終的には酸素のタンクにつながった状態で生活する酸素吸入療法が必要になることもあります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状
COPDの初期は無症状です。病態の進展に伴い、肺過膨張および閉塞性換気障害・ガス交換障害が進行し、息切れや慢性の咳や痰を生じます。息切れは当初は階段や坂道などの登りで自覚されるだけですが、平地での歩行や会話などの日常動作でも生じるほど重症化します。また、一部の方は喘鳴や発作性呼吸困難などの症状が現れることもあります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の自己チェック
長期の喫煙歴があり慢性に咳・痰・労作時呼吸困難があればCOPDが疑われます。下記に当てはまる方はCOPDの可能性があります。クリニックの受診をお勧めします。
- 40歳以上で、タバコを吸っている方または吸っていた。
- しつこく続く咳・痰がある。
- 階段を上ると息切れがある。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断
COPDの確定診断のためにはスパイロメトリーという呼吸機能検査を行います。気管支拡張薬吸入後1秒率70%未満でCOPDと診断されます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療
- 禁煙
- 薬吸入薬(気管支拡張薬)
- 呼吸リハビリ:口すぼめ呼吸、腹式呼吸などの呼吸訓練
- 在宅酸素療法:肺胞の破壊が進むなどして重症化して低酸素血症が進行した場合は、酸素吸入療法が必要となります。
COPDでは感染を契機として急速に病態が悪化することがあります。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは必ず接種しましょう。まずは医師にご相談ください。